原始

文時代以前のはるか昔、北方からやってきた日本人の祖先が日本列島に定着してから、大陸や南方から渡ってきた人々が文化をもたらすことはあったと考えられるが、早い時期から大陸とは異なる日本固有の文化が育ってきた。

古代

進文化国だった中国の文物を受け入れるようになった。金属器や漢字、仏教などがその代表である。こうして日本固有の文化の上に外来の文化が取り入れられていった。遣唐使の廃止(894年)後、外国からの影響が日本独自に消化されてゆき、貴族の女性の間で漢字からかな文字が生まれ、源氏物語や枕草子に代表される和歌 や物語、日記文学など文芸が盛んになった。

中世

代末から中世に武士が台頭してくると、武士特有の文化が生まれ、合戦をテーマにした軍記物語(平家物語など)も生まれた。中国から持ち込まれた文化(精進料理、水墨画、喫茶の習慣など)はその後の日本文化の発展に大きな影響を与えた。室町時代は戦乱の世であったが、猿楽(能)、茶の湯、書院(書院造)などが発展し、今日「日本的」といわれる文化の多くがこの時代につくられた。

近世

ーロッパの新しい異文化がもたらされた。鉄砲が戦闘形式を一変させ、天下統一への道を開いたほか、外来語、天ぷらなど飲食物も伝えられた。その後、徳川幕府が鎖国政策を行うと、再び日本独自の文化が発達した。庶民の間では芝居(歌舞伎、人形浄瑠璃)や浮世絵が愛好され、世俗的な文化が栄えた。

近代

末の開国、明治維新を経て、欧米の文物・制度を取り入れ日本の近代化を図ることが国家目標になった。大正時代頃には進学率の上昇などを背景に、都市を中心に洋風の文化が次第に浸透し、デパートに代表される消費文化、大衆文化が成立した。

現代

二次世界大戦後、高度経済成長により日本は飛躍的な工業化と都市化を遂げる。アメリカの近代的な文化を受け入れながら、独自の日本的な形に消化し、多彩で豊かな食文化、アニメや漫画などをはじめとする新しい日本の文化が生まれた。

日本文化の変遷

縄文時代以前のはるか昔、日本人の祖先が北方から渡来して以来、
近隣の文化を取り入れつつ独自に発展した。文化については南方からの伝播も想定され、
日本の基層文化には北方系とみられる要素と南方系とみられる要素が混在している。